🕰️ 日本の景気の歴史 ― 年代別に見る
高度経済成長からバブル、長い停滞、そして金利のある世界へ。成長率の推移と景気の山・谷を、年表と立体グラフでたどる。
このレッスンの目次
- 日本の実質経済成長率は、1960年代の年平均約10%から、1990年代以降は年1%前後へと大きく下がった
- 景気は拡張と後退を繰り返す。山と谷の月は、内閣府が後から決める
- 石油危機・バブル崩壊・リーマン・ショックなど、大きな出来事のあとには景気の後退が重なっている
年表で見る、日本の景気
棒グラフの上は経済の成長の速さ(実質GDP成長率)、下は物価の上がり方です。縞模様は、内閣府が決めた景気の後退期(山から谷まで)。グラフを押すか、スライダーや出来事のボタンで年を選ぶと、その年の様子が出ます。
日本の景気の年表(1961〜2025年)
- 実質GDP成長率
- 物価上昇率(消費者物価)
- 景気の後退期(内閣府)
- 主な出来事
1974年
- 実質成長率
- −1.2%
- 物価上昇率
- +23.2%
- 後退期(第7循環:山 1973年11月 → 谷 1975年3月、16か月)
出来事から選ぶ
景気の山と谷の一覧(内閣府「景気基準日付」)
| 循環 | 谷 | 山 | 谷 | 拡張期間 | 後退期間 | 通称 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 第1循環 | — | 1951年6月 | 1951年10月 | — | 4か月 | |
| 第2循環 | 1951年10月 | 1954年1月 | 1954年11月 | 27か月 | 10か月 | |
| 第3循環 | 1954年11月 | 1957年6月 | 1958年6月 | 31か月 | 12か月 | 神武景気 |
| 第4循環 | 1958年6月 | 1961年12月 | 1962年10月 | 42か月 | 10か月 | 岩戸景気 |
| 第5循環 | 1962年10月 | 1964年10月 | 1965年10月 | 24か月 | 12か月 | オリンピック景気 |
| 第6循環 | 1965年10月 | 1970年7月 | 1971年12月 | 57か月 | 17か月 | いざなぎ景気 |
| 第7循環 | 1971年12月 | 1973年11月 | 1975年3月 | 23か月 | 16か月 | 列島改造景気 |
| 第8循環 | 1975年3月 | 1977年1月 | 1977年10月 | 22か月 | 9か月 | |
| 第9循環 | 1977年10月 | 1980年2月 | 1983年2月 | 28か月 | 36か月 | |
| 第10循環 | 1983年2月 | 1985年6月 | 1986年11月 | 28か月 | 17か月 | |
| 第11循環 | 1986年11月 | 1991年2月 | 1993年10月 | 51か月 | 32か月 | バブル景気 |
| 第12循環 | 1993年10月 | 1997年5月 | 1999年1月 | 43か月 | 20か月 | |
| 第13循環 | 1999年1月 | 2000年11月 | 2002年1月 | 22か月 | 14か月 | ITバブル |
| 第14循環 | 2002年1月 | 2008年2月 | 2009年3月 | 73か月 | 13か月 | いざなみ景気 |
| 第15循環 | 2009年3月 | 2012年3月 | 2012年11月 | 36か月 | 8か月 | |
| 第16循環 | 2012年11月 | 2018年10月 | 2020年5月 | 71か月 | 19か月 | アベノミクス景気 |
| 第17循環 | 2020年5月 | 未設定 | — | — | — |
拡張期間が最も長いのは第14循環の73か月。網かけは拡張期間が50か月以上の循環です。「いざなみ景気」「アベノミクス景気」は報道などで使われる通称です。
5つの時代
年表の上の帯の区切りは、よく使われる時代の分け方です。数字は、その時代の実質成長率と物価上昇率の年平均です。
1961—1973
高度経済成長
- 成長率
- 9.6%
- 物価
- 6.1%
工業化と設備投資、輸出の拡大で、年10%前後の成長が続きました。内閣府(当時の経済企画庁)は1954年の「神武景気」から1970年の「いざなぎ景気」の終わりまでを高度成長期としていて、1973年の石油危機までとする説明もあります。
1974—1985
安定成長
- 成長率
- 3.7%
- 物価
- 6.8%
石油危機で物価が大きく上がり、1974年は戦後初めてのマイナス成長に。その後の成長率は年4%前後になりました。省エネルギーが進み、自動車や電機などの輸出が経済を支えました。
1986—1991
バブル経済
- 成長率
- 4.7%
- 物価
- 1.7%
プラザ合意のあとの円高による景気の落ち込みに対応して金融緩和が続くなか、株や土地の値段が大きく上がりました。株価は1989年末に最も高くなり、その後、大きく下がりました。
1992—2012
長い停滞とデフレ
- 成長率
- 0.8%
- 物価
- 0.1%
株価と地価の下落で、銀行の不良債権の問題が長引きました。1990年代の終わりからは物価が下がる年が多くなり(デフレ)、成長率は年1%前後にとどまりました。
2013—2025
金融緩和から利上げへ
- 成長率
- 0.8%
- 物価
- 1.3%
2013年から日本銀行の大規模な金融緩和が始まり、2016年にはマイナス金利も導入されました。2022年から物価の上昇が続き、2024年にマイナス金利が解除されて、金利が上がり始めています。
年平均は世界銀行のデータ(暦年)の単純平均。1970年の成長率は統計の段差とみられるため除いています。2025年は最新の値です。
世界と、年代ごとに比べる
日本の成長率の下がり方は、ほかの国と比べるとどうでしょうか。国を切り替えて、10年ごとの平均を立体の棒で比べてみましょう。
確認クイズ
戦後の日本で、景気の拡張期間(谷から山まで)が最も長かったのはどれ?
答えと解説
正解は C。内閣府の景気基準日付では、第14循環の拡張期(2002年1月〜2008年2月)の73か月が最長です。2012年11月からの第16循環の拡張期は71か月、いざなぎ景気は57か月、バブル景気は51か月でした。成長の速さでは、いざなぎ景気のころのほうがずっと高い成長率でした。
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このレッスンの用語
景気の山(ピーク)と谷(底)がいつだったかを、内閣府が後から決めた日付。
高度経済成長1950年代半ばから1970年代初めまで、日本の経済が年平均10%前後の高い成長を続けた時期。
石油危機(オイルショック)原油の値段が急に大きく上がり、世界の経済が混乱した出来事。1973年と1979年に起きた。
プラザ合意1985年9月、主要5か国がドル高の是正で合意した出来事。その後、急速な円高が進んだ。
バブル経済株や土地の値段が、実態から大きく離れて上がり続けた状態。日本では1980年代後半。
失われた30年バブル崩壊後、日本の経済成長が長く低い水準にとどまった期間を指す通称。
リーマン・ショック2008年9月、アメリカの大手証券会社の破綻をきっかけに広がった世界的な金融危機。
景気循環景気が「拡大→後退→収縮→回復」と波のように繰り返すこと。
実質GDP成長率物価の変化を除いたGDPが、前の期間から何%増減したか。
デフレ物価が全体的に下がり続けること。お金の価値は上がるが景気には重し。
