📒 決算書の読み方 ― BSとキャッシュフロー
架空の会社の資産・負債と現金の動きをつなぐ。利益が出ても現金が減る理由を、数字と確認問題で学ぶ。
このレッスンの目次
- BS(貸借対照表)はある時点の資産・負債・純資産。資産 = 負債 + 純資産になる
- CF(キャッシュフロー計算書)は一定期間のお金の動き。営業・投資・財務に分ける
- 利益と現金は別。架空の会社で、期首から期末まで数字をつないで確かめる
3つの決算書は、見ているものが違う
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CF:期間の資金移動
同じ期間に現金などがなぜ増減したかを示します。利益が出ても、手元のお金が減ることがあります。
架空の会社:まずは期首のBS
以下はすべて学習用の架空データで、単位は万円です。実在企業の決算ではありません。現金は要求払預金を含み、この例では現金同等物はないとします。
資産:600
現金200 + 売掛金100 + 設備300。売掛金は、販売済みの商品・サービスの代金を後で受け取る権利です。
負債300 + 純資産300
負債は借入金300のみ。純資産300は出資や蓄積した利益などの差額で、別の金庫に現金300があるという意味ではありません。
1年間の取引を追う
サービスの売上を500計上し、顧客から450を回収。人件費などの費用350を現金で払い、設備の減価償却費50を計上しました。さらに設備を100で現金購入し、借入元本を30返済します。税金・利息・在庫・配当・増資・その他の取引は省略します。
PLの利益:100
売上500 − 現金払いの費用350 − 減価償却費50 = 100。設備の購入100は、この例では購入時に全額を費用にせず資産に計上します。
営業CF:+100
入金450 − 支出350 = +100。利益から見ると100 + 減価償却50 − 売掛金の増加50 = 100です。
投資CF:−100
設備を購入して現金が100減りました。支出なのでマイナスですが、将来の事業に使う設備が増えています。
財務CF:−30
借入元本の返済で現金が30減りました。元本返済は費用ではなく、負債を減らす取引です。借入金の利息とは区別します。
期末のBSとCFはつながる
現金の増減は100 − 100 − 30 = −30。期首200から期末170になります。利益100が出た年でも、現金は30減りました。
| 項目 | 期首 | 増減の理由 | 期末 |
|---|---|---|---|
| 現金 | 200 | 営業+100、投資−100、財務−30 | 170 |
| 売掛金 | 100 | 売上500 − 回収450 | 150 |
| 設備(帳簿価額) | 300 | 購入100 − 減価償却50 | 350 |
| 資産合計 | 600 | 170 + 150 + 350 | 670 |
| 借入金(負債) | 300 | 元本を30返済 | 270 |
| 純資産 | 300 | 利益100を加算 | 400 |
期末も、資産670 = 負債270 + 純資産400。現金が減った理由と、純資産が増えた理由は別々に説明できます。実際の決算では配当や評価差額などでも純資産が変わります。
符号だけで良し悪しを決めない
問1:投資CFがマイナスなら、経営が悪化している?
それだけでは分かりません。この例では設備の取得が理由です。何に支出し、どのように事業で使う予定か、今後の支払いに必要な資金が残るかを合わせて見ます。
問2:この例で回収が450から350になったら、利益と現金は?
ほかの条件が同じで売上500を計上できるなら、利益は100のままです。営業CFは350 − 350 = 0となり、期末現金は200 + 0 − 100 − 30 = 70。期末売掛金は250になり、資産合計670は変わりません。回収が遅れると手元資金が減ります。
問3:さらに100を借りて現金が増えたら、利益も増える?
借入れだけでは利益は増えません。財務CFが100増え、BSでは現金と借入金がそれぞれ100増えます。現金の増加が営業の収入なのか、借入れなのかを読み分けます。
売上から利益までの流れは決算の数字と株価指標へ。借入れと運用資産の関係はREITのしくみでも確認できます。
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このレッスンの用語
関係する法令
- 中小企業庁 中小企業の会計31問31答 問4(貸借対照表の基本)
- 金融庁 企業会計審議会・連結キャッシュ・フロー計算書等の作成基準の設定に関する意見書(資金の範囲と営業・投資・財務の区分)