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世界と景気 1 / 4

🧩 業種(セクター)で見る株式市場

株式市場は、食品・自動車・銀行など17の業種に分けて見られる。景気・為替・金利のどれに業績が左右されやすいかを、図鑑と一覧表で整理する。

約7分更新 2026-10-02内容の確認 2026-10-02
このレッスンの目次

3行でいうと

  • 株式市場は、似た事業の会社をまとめた業種(セクター)に分けて見ることができる。日本ではTOPIX-17業種や東証33業種
  • 業種ごとに、業績が景気・為替・金利・原材料価格のどれに左右されやすいかの傾向がある
  • 傾向は目安で、同じ業種でも会社によって違う。売買のタイミングを決める道具ではない

17の業種を、図鑑で見る

東京証券取引所は上場会社を33の業種に分けていて、それを17にまとめたのがTOPIX-17業種です。ボタンを押すと、当てはまる業種が浮き上がります。カードを開くと、どんなことに業績が左右されやすいかが出ます。

17業種

食品景気の影響:小さい国内中心

加工食品・飲料・たばこ・水産や農林業など

東証33業種水産・農林業・食料品

暮らしに欠かせないものが多く、景気が悪くても売上が落ちにくい傾向。小麦・油などの原材料の値段の影響を受けやすい。

エネルギー資源景気の影響:大きい国内・海外

石油・石炭の製品、鉱業(資源開発)

東証33業種鉱業・石油・石炭製品

原油などの資源価格によって業績が大きく動きやすい。

建設・資材景気の影響:大きい国内中心

建設、ガラス・土石、金属製品

東証33業種建設業・金属製品・ガラス・土石製品

公共投資や住宅・設備投資の動きの影響を受けやすい。資材の値段や人手不足も業績に関わる。

素材・化学景気の影響:大きい国内・海外

化学、繊維、パルプ・紙

東証33業種繊維製品・パルプ・紙・化学

さまざまな製品の原料をつくる。世界の景気や原料の値段の影響を受けやすい。

医薬品景気の影響:小さい国内・海外

医薬品

東証33業種医薬品

景気の影響は比較的小さい傾向。新薬の開発の成否や、薬の公定価格(薬価)の改定の影響を受ける。

自動車・輸送機景気の影響:大きい海外の比重大

自動車・部品などの輸送用機器、タイヤなどのゴム製品

東証33業種ゴム製品・輸送用機器

海外での販売が多く、世界の景気と為替(円安・円高)の影響を受けやすい。

鉄鋼・非鉄景気の影響:大きい国内・海外

鉄鋼、非鉄金属

東証33業種鉄鋼・非鉄金属

建設・自動車など幅広い産業の需要と、鉄鉱石・金属の国際価格の影響を受けやすい。

機械景気の影響:大きい海外の比重大

機械(工作機械・建設機械など)

東証33業種機械

企業の設備投資の影響を受けやすい。海外向けの比重が大きい会社も多い。

電機・精密景気の影響:大きい海外の比重大

電気機器、精密機器

東証33業種電気機器・精密機器

半導体・電子部品などの世界的な需要の波と、為替の影響を受けやすい。

情報通信・サービスその他景気の影響:事業による国内中心

情報・通信、サービス、その他製品

東証33業種その他製品・情報・通信業・サービス業

通信のように景気の影響が小さい事業から、広告・人材のように景気に左右されやすい事業まで幅広い。

電力・ガス景気の影響:小さい国内中心

電気・ガス

東証33業種電気・ガス業

需要は景気の影響を受けにくい一方、燃料(LNG・石炭など)の値段や、設備のための借入れの金利の影響を受けやすい。

運輸・物流景気の影響:大きい国内・海外

陸運、海運、空運、倉庫・運輸関連

東証33業種陸運業・海運業・空運業・倉庫・運輸関連業

人やモノの動きの量と、燃料の値段の影響を受けやすい。海運は世界の物流の需給で大きく動くことがある。

商社・卸売景気の影響:大きい国内・海外

卸売業(総合商社・専門商社など)

東証33業種卸売業

資源の権益を持つ会社は資源価格の影響を受けやすい。世界中で幅広い事業を持つ。

小売景気の影響:事業による国内中心

小売業(スーパー・専門店・EC など)

東証33業種小売業

国内の個人消費の動きの影響を受けやすい。仕入れ値や人件費の上昇も業績に関わる。

銀行景気の影響:大きい国内中心

銀行業

東証33業種銀行業

貸出の金利と預金の金利の差(利ざや)が収益の柱で、金利の動きの影響を受けやすい。景気が悪いと貸し倒れが増えることもある。

金融(除く銀行)景気の影響:大きい国内中心

証券・商品先物、保険、その他金融

東証33業種証券、商品先物取引業・保険業・その他金融業

証券は株式市場の取引の多さ、保険は金利や運用の結果の影響を受けやすい。

不動産景気の影響:大きい国内中心

不動産業

東証33業種不動産業

借入れが多くなりやすく、金利の上昇は負担になりやすい。オフィスや住宅の需要と価格の影響を受ける。

何の影響を受けやすい? ― 業種ごとの一般的な傾向

業種景気海外・為替金利原材料・資源
食品景気の影響:小さい国内中心比較的小さい影響を受けやすい
エネルギー資源景気の影響:大きい国内・海外比較的小さい影響を受けやすい
建設・資材景気の影響:大きい国内中心影響を受けやすい影響を受けやすい
素材・化学景気の影響:大きい国内・海外比較的小さい影響を受けやすい
医薬品景気の影響:小さい国内・海外比較的小さい比較的小さい
自動車・輸送機景気の影響:大きい海外の比重大比較的小さい影響を受けやすい
鉄鋼・非鉄景気の影響:大きい国内・海外比較的小さい影響を受けやすい
機械景気の影響:大きい海外の比重大比較的小さい比較的小さい
電機・精密景気の影響:大きい海外の比重大比較的小さい比較的小さい
情報通信・サービスその他景気の影響:事業による国内中心比較的小さい比較的小さい
電力・ガス景気の影響:小さい国内中心影響を受けやすい影響を受けやすい
運輸・物流景気の影響:大きい国内・海外比較的小さい影響を受けやすい
商社・卸売景気の影響:大きい国内・海外比較的小さい影響を受けやすい
小売景気の影響:事業による国内中心比較的小さい影響を受けやすい
銀行景気の影響:大きい国内中心影響を受けやすい比較的小さい
金融(除く銀行)景気の影響:大きい国内中心影響を受けやすい比較的小さい
不動産景気の影響:大きい国内中心影響を受けやすい比較的小さい

受けやすい 事業による・中くらい 比較的小さい

業種の区分は日本取引所グループ「TOPIX-17シリーズ」による。傾向は一般によく言われるもので、同じ業種でも会社によって大きく違います。特定の業種や銘柄の売買をすすめるものではありません。

景気の波と、業種の関係

景気は、よくなったり悪くなったりを繰り返します(景気循環)。景気の影響を受けやすい業種を景気敏感、受けにくい業種をディフェンシブと呼ぶことがあります。局面を押して、それぞれの時期によく見られることを確かめてみましょう。

景気の4つの局面

回復:落ち込んでいた生産や企業の業績が、持ち直し始める。金利はまだ低いことが多い。

景気の影響を受けやすい業種(景気敏感)は、業績の持ち直しが目立ちやすい。

教科書でよく使われる4つの局面の説明です。実際の景気は、局面の長さも順番の通り方も毎回違い、いまどの局面かは後になってから分かることがほとんどです(日本では内閣府が「景気の山・谷」を後から決めます)。

経済をつくる産業の割合

株式市場の業種とは別に、国の経済全体がどんな産業で成り立っているか(産業構造)も見てみましょう。日本では、生み出された価値の約7割をサービス業が占めています。

経済をつくる産業の割合

  • 農林水産業
  • 製造業
  • 建設・鉱業・電気など
  • サービス業
  • 調整(税・補助金など)

国どうしで比べる(付加価値の対GDP比)

日本(2024年)1971
アメリカ(2021年)1176
ドイツ(2025年)186410
イギリス(2025年)7310
中国(2025年)251158
インド(2025年)161312499

日本の変化(1994年〜)

1994年231163
2004年2169
2014年1970
2024年1971
出典:World Bank, World Development Indicators(CC BY 4.0)(Agriculture, Manufacturing, Industry, Services の付加価値の対GDP比)。国によって最新の年が違います。日本のデータは1994年から。

世界で使われる業種の分け方(GICS)

海外の株式や、世界の株式に投資する投資信託の説明では、GICS(世界産業分類基準)の11セクターがよく使われます。TOPIX-17とは分け方が少し違います。

  1. エネルギーEnergy
  2. 素材Materials
  3. 資本財・サービスIndustrials
  4. 一般消費財・サービスConsumer Discretionary
  5. 生活必需品Consumer Staples
  6. ヘルスケアHealth Care
  7. 金融Financials
  8. 情報技術Information Technology
  9. コミュニケーション・サービスCommunication Services
  10. 公益事業Utilities
  11. 不動産Real Estate

確認クイズ

一般に「ディフェンシブ」と呼ばれることが多い業種の組み合わせは?

答えと解説

正解は B。食品・医薬品・電力・ガスなど、暮らしに欠かせない商品やサービスを扱う業種は、景気が悪くても業績が落ちにくい傾向があるとされます。ただし「値下がりしにくい」という意味ではなく、燃料価格や制度の変更などで業績が大きく動くこともあります。

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このレッスンの用語

出典・参考(最終確認 2026-10-02)
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今日は、ひとつ知るところから。

図を見て、試して、気になったら保存。自分のペースで読み進められます。

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